人が恋愛をする理由についてわかりやすくご紹介します。
- 恋愛の定義は一緒にいたいという気持ち
- 恋愛は既婚女性への愛から始まった!?
- 恋愛の機能について
人はなぜ「恋」に落ちると思いますか?
答えは「恋愛をする感情がないと人類が途絶えてしまうから」です。
子孫を残す事は人類に限らず、全ての生物にとって生きる上で最大の目的の一つです。
しかし、恋愛の過程を経て子孫を残すのは、生物の中でも人類のみと言われています。
何の必要があって恋愛をするのでしょうか?
恋愛の定義とは?
恋愛とは大まかに以下のように定義されています。
「特定の相手に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき、常に相手のことを思っては、二人だけでいたい、二人だけの世界を分かち合いたいと願い、それがかなえられたと言っては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。」
引用元:『新明解国語辞典 第八版』(三省堂、2020年)
一緒にいたいと思う気持ちが芽生えれば、それは恋愛の始まりということです。
恋愛は既婚女性への愛から始まった!?
次に恋愛の歴史を紐解いていきましょう。
実は恋愛はヨーロッパにおいて「恋愛は12世紀の発明」と言われています。
当時は性の乱れが問題視されていた時代、 純粋な恋愛を歌う「トゥルバドゥール」と呼ばれる吟遊詩人たちが登場しました。
彼らは、身分の高い既婚の貴婦人たちに憧れを持つようになっていきました。
でもこの愛は相手が身分の高い既婚者である為、決して報われません。
困難なものこそ手に入れたい人間の性ですね。
このような恋愛は
「宮廷風恋愛」
と呼ばれ、騎士にとって恋愛は自分に試練を課し、 困難を乗り越えて精神を高めていく行為として周知されました。
この騎士道恋愛こそが原形となり恋愛は生まれたという説です。
人が恋愛をする本当の理由は妥協させるため!?
さて、ここで本題に入りましょう。
人が「恋愛」をするということ。
ごく当たり前の事のように思えますが、 なぜかと理由を考えて「恋愛」をする人は少ないと思います。
「恋愛」は、子孫を残す為に必要な仕組みとして残したのでしょうか?
確かに、子供を作るという事は「自分の遺伝子を残す」という生物にとって最も大切な目的である為、それも1つの答えかもしれません。
しかし、それに関しては性欲だけで解決出来るはず。
恋愛とはまた別になります。
では一体、なぜ「恋愛」をするのでしょうか?
この答えを見つける為に、まずは人間を1種の生物として見ていきましょう。
生物が進化していく過程で、基本的にいらない機能は捨てられ、 必要な機能だけが残っていく傾向があります。
つまり「恋愛をする」という機能は必要性があって今日まで私達の身体に備わっているわけです。
恋愛の機能
東大教授(脳科学)の池谷裕二さんの著書「受験脳の作り方」という本に、 恋愛の機能について次のように説明されています。
恋愛とはある特定の異性に惹かれる感情です。
恋愛すると、それ以外の多くの異性が世の中にいるにもかかわらず、目に入らなくなります。
それは自分が優秀だと感じた人間の子孫を残そうという意志の現れだと解釈されますが、もっとちがった捉え方も可能です。
世界には現在三十億の異性がいます。
そのすべての異性に出会うことは不可能ですから、世界中から「本当」に自分にふさわしいたった一人の人間を選び出すことはできません。
つまり、人は皆、ある程度満足のいく相手で我慢しなければならない運命にあるのです。
もっと自分に合った人が世界のどこかにいるかもしれないのに、身近な人で満足しなければならないのです。
この理不尽な状況を見事に解決してくれるものこそが「恋愛感情」です。
「自分にはこの人以外考えられない」「この人こそ私のすべて」と脳に勘違いさせることで、満足感を補うのです。
実際、恋愛感情が冷めてしまうと、「なんでこんな人のことが好きだったのだろう」と自分のバカさ加減にあきれることすらあります。
引用元:池谷裕二『受験脳の作り方』(新潮文庫、2011年)
私たちは地球上の全ての異性に会う事は出来ません。
故に本当の運命の人を見つける事は不可能に近いのです。
それでも子孫を残していく為に恋愛感情で脳を勘違いさせ、ある程度の異性で妥協させてしまおうというのが人が恋をする理由だというのです。
しかし、人類を滅ぼさせない為に妥協してでも「恋愛」をさせ、関係を築かせる事は非常に合理的な機能だとも言えますよね。
それにこの機能のお陰で恋に落ちる瞬間のトキメキを感じたり、ドキドキが味わえたりするわけです。
まとめ
人類は子孫を残すため、実際に出会った中から相手を選び、脳を勘違いさせ恋愛感情を持ちます。
恋愛が脳の勘違いというのは驚きでしたが、1つの恋愛が終わり時間が経つと、嘘のように相手への感情が消えてしまう事を思うと妙に納得してしまいました。
ただ、世界中の異性すべてに出会うことは不可能なのですから、実際に出会えたその相手が運命の相手とも言えます。
勘違いした脳のお陰で、落ち込んだり傷付いたり、舞い上がったり一喜一憂していると思うと人間て面白いですよね!
例え脳の勘違いだとしても、それが人類の特権「恋愛」という事です。